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院長ブログ

第3回 チーム医療

秩父病院院長  花輪 峰夫

 前回の秩父病院だよりでは、医療機関同士の助け合い(医療連携)についてお話しました。今回は病院内の連携(チーム医療)について述べたいと思います。

 現在当院には医師15名(常勤8名)、看護婦35名、介護婦9名、放射線技師5名、薬剤師2名、臨床工学士1名、管理栄養士1名の医療専門職員と、12名の事務および保守管理職員がおり、総勢約80名のスタッフが病院という組織の中で働いています。いずれも患者さんの治療のために必要な人材です。

 例えば、お腹の痛い患者さんが来院したとします。受け付けを済ませ、外来の看護婦さんが介助し、内科または外科の担当医が診察し、血液検査やX線、超音波検査等を指示します。技師が撮影や検査を行い、難しいケースでは放射線科医が読影、担当医が総合的に診断します。時には他の複数の医師と検討のうえ診断、治療方針が決まります。

 手術が必要となれば、複数の外科医が関与します。まずメスを持つ者、糸を結ぶ者、鉤引き(こうひき)と言って視野を確保する者、そして麻酔医です。看護婦も機械出し1名、外回り2名が必要です。術前術後の裏方の仕事(機械の滅菌消毒や掃除)もなかなか大変です。

 手術後の治療は医師、病棟看護婦、介護婦、薬剤師、栄養士、技師その他すべてのスタッフの共同作業です。当然24時間連続したケアが必要ですから交代制で当たらなければなりません。そのため充分な情報の引き継ぎが不可欠です。夜勤の仕事は肉体的にも精神的にも相当な負担を強いられます。その他設備や機器の保守点検を怠るわけには行きません。保険請求事務の仕事も深夜に及ぶこともしばしばです。

 より良い医療が行われるためには、多くの要素が必要です。環境の良い施設、最新の設備等、そして人材です。最近医療はサービス業の一つと言われています。私はそのことにまったく異議なしとは思っていません。しかし私は、サービス業の代表であるデパートやスーパーで最も大事なことが、より良い商品を提供することだとすれば、病院の商品は人であると言っても過言ではないと思っています。医療は人の持つ技量と心を提供(サービス)する仕事であると思うからです。

 医療には多くの専門職が必要です。それぞれが医療職としての気概を持って自分の領域で充分に役割をはたすことが大事ですが、病院の役割を考えたとき、あくまで患者さんを中心に、スタッフ全員が同じ目的に向かって協力し、連携した時生まれる『チーム力』こそが最も重要であると思っています。そんな意味から、今回より数回に分けて前回までの医師に引き続き当院のスタッフを紹介します。


プロフィール
秩父病院院長 花輪 峰夫

秩父病院院長 花輪 峰夫

人と人との触れ合い医療をを実践し、患者さんから信頼され、スタッフが気概を持って、地域に貢献できる病院を目指します。

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