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第1回 最近の胆のう手術
第1回 最近の胆のう手術
腹腔鏡下胆嚢摘出術
良性胆嚢疾患(胆石症、胆嚢ポリープ、胆嚢炎等)への手術
秩父病院副院長 新井 康弘
腹腔鏡下胆嚢摘出術は腹部の小さな創よりTVカメラを挿入し、画面を見ながらマジックハンドのように行う手術方法です。1987年フランスで初めて行われ、現在では大半の良性胆嚢手術は腹腔鏡下で行われるようになっています。
開腹による胆摘手術では、(腹腔鏡下手術に比べ)術後の痛みも強く、歩行開始まで相当日数を必要としていました。この手術の利点として、痛みの軽減、早い歩行開始と、食事の再開、入院日数の減少等があげられ、手術適応が広がり、積極的に手術が勧められるようになっています。当院でも1992年12月よりこの手術を開始、年間30例前後、200例以上に行われました。
繰り返す胆石発作や胆嚢炎、無機能胆嚢、萎縮胆嚢、胆石とポリープの合併、大きなポリープ、胆嚢壁の肥厚、癌の疑い、これによる周囲の臓器障害などに手術を勧めています。ただ、すべての胆嚢疾患にこの手術が行えるわけではなく、急性胆嚢炎、ひどい慢性胆嚢炎の癒着、合併症、癌などでは開腹手術が必要となることがあります。
普段より症状の有無にかかわらず、積極的に検診、ドック等で胆嚢病変の有無、状態を知っておくのもよいでしょう。
| コメント (0) | 更新時間 : 2012年10月11日 21:48